「 好 き 」【短編】
色鮮やかに彩っていた風景が全部真っ白に見える。
そう、全てはオレが悪いんだ。
オレが男らしく自分の気持ちを言わないから。
幼馴染みにこの気持ちを知られて、避けられるのが怖かったから。
でもオレはこの痛みを知って気づいた。
告白して振られて避けられるよりも、今のオレみたいなのが何日も続くのが怖い。
「好き」
このたった二言をオレは言えなかったんだ。
でも今のオレなら言える。
正直に…
想いを…
「…立ち止まってどうする…オレ」
行くんだ。
「…よし!」
オレはこの胸の痛みを知ったから言える。
待ってろよ、麻美。