太陽に恋して


「お姉ちゃーん、遅すぎぃ!」

「ごめん、ごめんっ」


いつもと変わらない風景が今日は一段とキラキラして見える。



…友達、できるかな?

願わくば恋をして、幸せな毎日を送ってみたい。

(無理だけどね)

友達すらろくにできない私にそんな毎日、おくれるはずがない。

凛翔高校ならなおさら。こんな私に誰も目もくれないだろう。

(友達ができれば十分っ)

みんなみたいに可愛くないもん。チビで、意気地なしで男のコと喋る事すらできないから。

恋なんて、きっと私には必要ないんだよ。


「お姉ちゃん、あたしこっち行くね」

「え?学校はあっちでしょ?」

「彼氏と待ち合わせしてるの」


中学生の妹でさえ、こんな素敵な恋をしてる。

「今日は第一印象をつける大事な日だよ!今日で今後の展開は決まるんだからね」

そういうと真凜は走っていってしまった。

(妹みたいに可愛い子に生まれたかったな)

そんな気持ちが密かにあった。



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