プラチナ・ラブ

上がっていけと言われたので、家に上がらせてもらった。

リビングのソファに親父と向かい合って座る。


「十年振りだな……大翔」

「あぁ……」

「本当に大きくなって……」


親父の顔は優しかった。

優しく俺の顔を見つめていた……。


「今高校生だっけ」

「高二」

「そうか……あんなに小さかった大翔がな……」

「親父は?再婚したの?」

「あぁ……。
さっきお前が会ったのが、今の妻だ」


ほら、と親父が棚の上に飾られている写真たての方に視線を向けた。


写真の中には、親父とさっきの奥さんと……小学生ぐらいの女の子。


「あの子は……」

「俺の娘だよ。
母親は違うが……お前の妹だ」


俺の……妹……。

あの子が……。


なぜか少しだけ温かい気持ちになった。


< 112 / 226 >

この作品をシェア

pagetop