プラチナ・ラブ
上がっていけと言われたので、家に上がらせてもらった。
リビングのソファに親父と向かい合って座る。
「十年振りだな……大翔」
「あぁ……」
「本当に大きくなって……」
親父の顔は優しかった。
優しく俺の顔を見つめていた……。
「今高校生だっけ」
「高二」
「そうか……あんなに小さかった大翔がな……」
「親父は?再婚したの?」
「あぁ……。
さっきお前が会ったのが、今の妻だ」
ほら、と親父が棚の上に飾られている写真たての方に視線を向けた。
写真の中には、親父とさっきの奥さんと……小学生ぐらいの女の子。
「あの子は……」
「俺の娘だよ。
母親は違うが……お前の妹だ」
俺の……妹……。
あの子が……。
なぜか少しだけ温かい気持ちになった。