プラチナ・ラブ


「……ただいま」


みんながいるっていうテツの店に来た。

花音、優人、沙羅。

みんなが揃って立ち上がった。


だけど……俺の表情を見て何かを察したようだった。


「大翔……」


花音が心配そうに俺を見た。


俺は……力無く空いていたイスに座った。


「……学園長の言ってた隠された真実……分かったよ」

「え……?」

「あの親父……離婚する一年前に不倫して子供までつくってた。
……今はその不倫相手と子供と一緒に暮らしてる」


……誰も何も言わなかった。

いや……何も言えなかったのかもしれない。


……あまりの予想外の真実に。



その時……花音が動き出した。


「花音!?どこに行くの!?」

「花音ちゃん!?」


沙羅と優人の声も聞かずに、花音は飛び出していった。


……俺はそんな花音の姿をただ見送ることしかできなかった。
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