プラチナ・ラブ

「君が花音ちゃんか」

「はい……そうですけど……。
あの、失礼ですがあなたは……?」


花音が聞くと、男は小さく笑いながら内ポケットに手を入れた。


「そうだったな。
俺はこういう者だ」


そう言いながら花音に名刺を手渡した。


「……瀬和グループ取締役……瀬和……隆史……」


……その瞬間、花音の男を見る目が変わった。

まるで敵を見るような目だった。


「あなた……あの人の婚約者の……」


え……?

学園長の……?


「いかにも。
俺は西崎小百合の婚約者だ。
……今のところはな」

「……あたしに何の用ですか」


花音の男……瀬和さんを見る目はどこまでも冷たかった。




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