プラチナ・ラブ
次の日。
俺はいつものようにまた屋上へ行った。
ここでのんびりしてるのが一番いい。
でも……今日もアイツが先にいた。
柵にもたれかかりながら一人でじっと空を見ていた。
「……西崎」
西崎は振り返ると、俺の顔を見て微笑んだ。
「またサボり?」
「お前に言われたくねぇよ」
西崎は小さく笑うと、また空に視線を戻した。
「空、好きなのか?」
「……羨ましいの、空が」
「羨ましい?」
あ……まただ。
あの寂しそうな顔……。
「空ってみんなから必要とされてるでしょ?
愛されてる。
……それってすごく羨ましいなって」
「西崎……」
「あたしは……誰からも愛されたことがないから」
失笑しながら……静かな声でそう言った西崎。
……俺は西崎の隣に並び、同じようにもたれかかった。