プラチナ・ラブ
その時……店のドアがゆっくり閉まる音がした。
振り返ると……花音が立っていた。
……うつむきながら。
いつの間に入ってきたんだろう……。
気付かなかった。
「花音……」
……聞いていたんだろう。
タカさんの話を……。
「……あたし……あなたに会ったことあるんですか?」
「……そうだ。
君はもう覚えてないと思うけどな」
「……病院に連れて行ったって……」
花音は必死で何かを思い出そうとしていた。
……花音は苦しそうに顔を歪めたまま、頭を押さえてしゃがみこんでしまった。
「花音!」
そばに寄ろうとした俺を、タカさんがそっと手で制した。
タカさんはゆっくりと花音のそばに歩み寄ると……花音と同じ目線ぐらいにしゃがみこんだ。