プラチナ・ラブ
花音side

……あたしはそっと墓石に手を触れた。

ここに……お父さんが……。


「花音ちゃん」


瀬和さんがあたしにお線香を差し出した。

火をつけ、お供えする……。


手を合わせて……そっと目を閉じた。



お父さん……。



「っ……………」


目を閉じながら……なぜか涙がこぼれてきた。



もし……お父さんが生きてたら……。


あたしは……今、どんな生活をしていたの?


幸せだった?


お父さんは……どんな気持ちであたしが生まれてくるのを待ってたの?

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