プラチナ・ラブ

「矢田……さん……」


振り返ると……矢田さんがいつものスーツ姿で立っていた。


矢田さんの視線はそのままあたしから瀬和さんへと向けられる……。


「瀬和様……どういうおつもりですか」

「……君だってこれを望んでいただろう」

「……小百合様に知られたら、大変なことになりますよ」

「俺は小百合とは結婚しない」


矢田さんが驚いたように瀬和さんを見た。


「あなた……初めから花音様が目的で……」

「ほっとけるわけないだろ。
君の立場は分かっている。
だから君を責めたりはしない。
……だが、俺は好きにやらせてもらうよ」

「……花音様を引き取るおつもりですか?」

「彼女が了承すれば」


瀬和さんは振り返ってあたしを見た。

< 145 / 226 >

この作品をシェア

pagetop