プラチナ・ラブ
「矢田……さん……」
振り返ると……矢田さんがいつものスーツ姿で立っていた。
矢田さんの視線はそのままあたしから瀬和さんへと向けられる……。
「瀬和様……どういうおつもりですか」
「……君だってこれを望んでいただろう」
「……小百合様に知られたら、大変なことになりますよ」
「俺は小百合とは結婚しない」
矢田さんが驚いたように瀬和さんを見た。
「あなた……初めから花音様が目的で……」
「ほっとけるわけないだろ。
君の立場は分かっている。
だから君を責めたりはしない。
……だが、俺は好きにやらせてもらうよ」
「……花音様を引き取るおつもりですか?」
「彼女が了承すれば」
瀬和さんは振り返ってあたしを見た。