プラチナ・ラブ
閉ざされた過去
花音side


「……花音様は……覚えていらっしゃらないのですね」

「え……?」


分からない……。

何の話……?


「小百合様に閉じ込められた日のこと……」


閉じ込められた……?

あたしが……?


……覚えてない。

全然……。


あたしが呆然としていると、矢田さんは気まずそうにあたしから目をそらした。


「……全ての責任は私共にあります。
自分のことばかりを考え……花音様を見捨てた、私達大人に」


訳が分からず、あたしの頭は更に混乱する。


本当に……何を言ってるの?


矢田さんはうつむきながら……静かに話し始めた。

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