プラチナ・ラブ
……思い出した。
あの時の……真っ暗な密室に響く雷鳴……。
何だか急に怖くなって……あたしは思わず大翔の服の裾をギュッと握っていた。
「……許していただけるとは思っておりません。
現に……今も私は小百合様の言いなりで、花音様を苦しめているのですから……」
矢田さんはあたしに深く頭を下げると、お父さんのお墓にお線香をお供えして早々と帰っていった……。
そうか……あれが原因であたしは……。
「……花音?」
大翔が心配そうにあたしの顔を覗きこむ。
「……大丈夫」
矢田さんは……何を考えているの?
本当にあたしのことを……見守っていてくれてたの?
あの人のことが……よく分からない。