プラチナ・ラブ
「小百合は相変わらずらしいな。
花音への仕打ちが」
「……ご存知なんですか?」
「あぁ。
妻……小百合の妹から、小百合が子供嫌いだということは聞いていた。
だから、小百合が妊娠したと聞いた時は驚いたよ。
でも、小百合の旦那は子供好きらしくてね。
旦那のために子供を産んだ。
……その結果がこれだ」
中原さんは小さくため息をついた。
「小百合は花音を絶対に仕事関係者には会わせようとはしなかった。
親戚の俺ですら会わせてもらえなかったんだ」
「え……そうなんですか?」
「小百合にとって花音は西崎家の邪魔者……恥だとでも思っていたんだろう。
だから、俺が花音に会ったのは小百合の旦那の葬式で……あの秘書の矢田が会場から離れた個室で一人面倒を見ていた、あの時だけだ」
「矢田さんが……面倒を見ていたんですか?」
「あの葬式の時にはな。
絶対に会場には連れていかなかった。
矢田も尊敬していた旦那の葬式に出たかっただろうに……」
……矢田さんは本当に花音が小さい頃からずっと面倒を見てきてくれていたのか。