プラチナ・ラブ

「花音ちゃん、自分の家だと思ってくつろいでいいからな」

「………………」

「花音ちゃん?」

「あ……ごめんなさい。
家だとあんまりくつろげないので……」


……あんな家、窮屈なだけだから。

みんなあの人の顔色を伺って仕事して……。


「……そうか。
じゃあ、新しい場所だと思えばいい」

「新しい場所?」

「そう。
花音ちゃんが自由に過ごせる、新しい場所」


あたしが自由に……。


「大翔もいるしな。
来たくなったらいつでも来ればいい。
あ、俺は若い二人の邪魔をするような野暮な真似はしないから」

「おい……タカさん」

「おっと……大翔の目が怖い……。
とにかく、リラックスしていいからな。
そろそろ中原も来るだろうし……」


瀬和さんがそう言ったところで、ちょうどインターホンが鳴った。


「お、来た来た。
じゃあ、ちょっと待ってな。
すぐ連れてくるから」


そう言って瀬和さんはリビングを出ていった。

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