プラチナ・ラブ
今まで、一人だった。
母親から毛嫌いされ、他の大人達は誰も助けてくれなくて。
ずっと……ずっと一人だった。
辛くて苦しかった時……沙羅が友達になってくれて、もう少し頑張ろうと思えた。
母親の再婚を聞かされて、婚約者まで現れて……自分の人生が誰かに左右されている時に……大翔に出会って、恋をして……生まれて初めて幸せに思えた。
でも、そのせいで大翔は苦しめられ……母親も家も失って……。
そんな時、母親の婚約者に娘にならないかと言われ……。
ずっと母親の味方だと思っていた秘書は、あたしが生まれた時からずっと静かに見守ってくれていたことを知って……。
親戚なんて知らなかったあたしに叔父さんだという人が現れて……。
ほんの短い間にいろんなことが起きた。
17年生きてきた中で……あたしの人生が変わろうとしている瞬間なのかもしれない。
今、あたしは岐路に立たされている。
正解なんて分からなくて……どうしたらいいのか分からなくて……。
……あたしはギュッと大翔の手を握った。
一人じゃ……きっと乗り越えられないから。
だから……そばにいてほしい。
……大翔はそっとあたしの手を握り返してくれた。