プラチナ・ラブ

叔父さんはあたしの話を聞いてにっこり笑った。


「そうだな。
お前にとっての父親は一人だけだな」

「だから……分からないんです。
初めは瀬和さんのことよく思ってなかったけど……でも、瀬和さんは他の大人とは違うって……何となく伝わってきて」

「……うん」

「瀬和さんの娘になれたら幸せだと思います。
だけど……今のままじゃ、家族にはなれないと思います」


それだったら、今と状況は変わらないかもしれない。

瀬和さんはいい人だけど、一緒に暮らしてもどこか他人行儀になって、堅苦しくなって……。

家にいても居心地が悪くなってしまう……。


「花音の気持ち、タカは分かってくれると思うよ。
だから、ちゃんと自分の中で答えが出るまで悩めばいい」

「……はい」


そうだよね……。

自分の中で……はっきり答えを出さなきゃ。


これは……あたしの人生を大きく変えることなんだから……。

< 188 / 226 >

この作品をシェア

pagetop