プラチナ・ラブ

「はぁ……」


俺はキッチンで皿を取りながらため息をついた。

今日何度目のため息だろうか……。


……やっぱり今年も上手くごまかして乗り切ろう。

うん、そうしよう。


フォークも二本取り、リビングに戻ろうとした……その時。


……そういえば、俺……あの紙をクッションの下に置きっぱなしだった!

マズい……!


俺は皿とフォークを持って慌てながらリビングに戻った。


リビングのドアを開けると……タカさんがソファの前に立って何かを真剣に見ていた。

俺が紙を隠したクッションは……場所が移動させられていた。


……終わった。


タカさんが見ているのは多分……三者面談の紙。


タカさんはゆっくりと振り返って、紙を俺の方に見せるようにしてきた。


「大翔、これは何だ?」

「……それは………」


俺が黙りこむと、タカさんはボールペンを取り出して紙に書き込み始めた。
< 191 / 226 >

この作品をシェア

pagetop