プラチナ・ラブ
「ちょっ……タカさん!?」
「何だ?
俺じゃ不満か?」
「そういうわけじゃねぇけど……。
でも、タカさんだって仕事とか忙しいだろうし……」
「あのなぁ……」
タカさんは小さくため息をつくと、まっすぐ俺の目を見た。
「そんなこと気にするな。
誰が何と言おうと、今のお前の保護者は俺だ。
仕事なんか途中で抜けてこられる。
俺にとってはお前の将来の方が大事だ」
「タカさん……」
……そんなこと言ってくれた人は初めてだった。
実の親にさえそんなこと言われたことないし、そういう素振りすら見たことがない。
「んー……日程か……。
俺としてはいつでもいいんだけどな……」
その時だった。
突然インターホンが鳴り響いた。
「栗原、頼む」
「かしこまりました」
どこからかともなく執事の栗原さんが現れて、玄関の方へと向かっていった。
「栗原さんって……いつもどこから現れんの?」
「さぁ。
でも、すごいよ。
俺がどこにいても呼んだら現れるんだ」
「すげぇな……それ……」
栗原さんは敵に回しちゃいけない気がする……。