プラチナ・ラブ
コン、コンとゆっくりノックをしてあたしはあの人の部屋に足を踏み入れる。
部屋に入ると、あの人は机に向かって仕事をしていた。
「……何よ」
あたしの顔も見ずに冷たくそう言うあの人。
「……三者面談のことでお話が……」
「あぁ、それなら私からあなたの担任に話をしておくから大丈夫よ。
面談はしなくていいわ」
……そう言うと思った。
いつもそうだから……。
でも、今年は……。
「あの……」
「何よ。まだ何か用なの?」
「三者面談……来てくれませんか?」
あたしが恐る恐るそう言うと……あの人はキーボードを打っていた手を止め、ゆっくりあたしの方を見た。