プラチナ・ラブ

矢田さんに送られて、あたしは瀬和さんの家の前に来ていた。

インターホンを押すと、執事の栗原さんが出迎えてくれた。


そのままリビングに入って……あたしは大翔に抱きついて、泣いた。

大翔の姿を見て……安心して、今まで堪えていた涙が一気に溢れ出してきた。


一しきり泣き終えた後……あたしは大翔と瀬和さんにさっきあったことを全部話した。


「小百合のヤツ……。
……許せないな」

「……あたしがバカだったんです。
こうなることなんて分かってたのに……」


あたしがそう言うと、瀬和さんはゆっくり首を横に振った。


「花音ちゃんはきちんと小百合と向き合おうとしたんだ。
よく頑張ったな」


……瀬和さんの目は優しかった。

また……涙が出そうになった。


「あ、そうだ。
羊羹でも食べようか。
有名な和菓子屋の羊羹らしいからな。
きっとおいしいぞ」


そう言うと、瀬和さんは紙袋の中から羊羹を取り出して二切れ切るとお皿の上に載せてあたしに差し出した。

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