プラチナ・ラブ
放課後。
俺の面談は三番目。
俺の番まであと30分近くあった。
タカさんもまだまだ来ないだろうし、俺は校内をブラブラすることにした。
だけど……
「あ、いた。大翔!」
可愛らしい声が聞こえてきて、振り返ると花音が俺に駆け寄ってきた。
「どうした?」
「どうした?じゃないよ。
もう瀬和さんが大翔の教室の前で待ってるよ」
「は?」
俺は慌ててケータイで時間を確認した。
まだ最初の奴の面談が始まって五分ぐらい……。
「……早くね?」
「すごく表情固かったよ。
何かあったの?」
「あぁ、緊張してるらしい。
初めての保護者としての三者面談だからな」
「そっか」
花音は少しずつタカさんに心を開き始めている。
タカさんも嬉しそうだし、花音も楽しそうで。
そんな二人の姿が見れることが俺にとっては嬉しい。
「大翔、行こ」
俺の制服の裾を引っ張る花音。
そんな仕草が可愛くて、俺は花音の腰を引き寄せて軽く触れるだけのキスをした。
「ちょっ……ここ学校っ……!」
「誰もいねぇよ」
たまにはいいだろ。
最近、いろんなことがありすぎてゆっくりできてなかったし……。
「タカさんのとこに行く前に、ちょっと充電」
そう言いながら俺はそっと花音を抱きしめた。
小さくて華奢ですぐに壊れてしまいそうな花音の体。
絶対に手放したくない……俺にとっての光。