プラチナ・ラブ
花音と二人で教室の前に行くと、タカさんはガチガチに固まっていた。
「タカさん……普通でいいって。
多分進路っつーより、普段の態度を注意されるのが大半だし……」
「態度?」
タカさんは不思議そうに首を傾げた。
すると、横から花音が口を挟む。
「大翔、学校一のサボり魔って有名なんですよ」
「おい、花音!」
「サボり魔?」
タカさんの目がまっすぐ俺を捉えた。
何を言われるのかと身構えていると……タカさんはフッと口元を緩めて笑った。
「俺もよくやったな~……。
天気の良い日に屋上で寝転がるのがすっごく気持ちいいんだよなぁ……」
「……似た者同士だね」
花音は俺とタカさんを交互に見てから小さく笑った。
そんな花音につられるかのように、俺とタカさんも笑った。
今はまだよく分からない、この三人の関係。
だけど、花音がいてタカさんがいて……それが俺にとっての幸せになりつつあった。
こうやって笑い合えることが……本物の幸せだと思った。