プラチナ・ラブ
「小百合。
君はここまで二人を傷つけてどうしたいんだ。
花音ちゃんをどこぞのお坊っちゃんと結婚させるためか?
……違うだろ。
愛する旦那と妹を失って、癒えない傷と悲しみを二人にぶつけてただけじゃないのか?」
「……何が分かるの……。
あなたに何が分かるっていうのよ!!」
学園長がタカさんに向かって叫んだ。
学園長の顔は……とても苦しそうだった。
「……私にとってはあの二人が全てだった
。
小さい頃に両親を亡くして……当時は暗かった性格のせいか友達すらいなかった私にとって……私を愛してくれたのは沙織とあの人だけだった……」
……学園長の言葉に俺達全員が驚いた。
学園長も俺達と同じだった……?
愛してくれるはずの人を亡くして……ただ悲しんでいた少女だった……?
「そんな二人すら亡くして……私はずっと一人で頑張ってきたのよ!!
そんな私の気持ちが分かるわけがないでしょ!!」
学園長は……ただ愛されることを望んでいた。
俺達と同じように……
誰かに愛されたいと……願っていた。