プラチナ・ラブ

「……あたしはずっと一人でした。
孤独でした。
でも……今はそれでもよかったと思ってます」


あの人が顔を上げてあたしの顔を見た。


「……ずっとそばにいたいって……大好きだって……ずっと愛し続けたいって……そう思えるような人に出会えたから。
……お母さんみたいに」


大翔に出会ってあたしの人生は大きく変わったよ。

大翔に出会ってなかったら……恋をしていなかったら、今あたしはここにはいない。


「……ずっと憎んでたけど……でも、今はあたしを生んでくれて感謝してます。
それがいくらお父さんのためだけだったとしても」

「……………………」

「だから……あたし、ずっと待ってる。
あなたが……お母さんが本当にあたしを愛してくれる、その日まで」


何があっても……あたしのお母さんは一人しかいないから。

それだけは何があっても絶対変わらないから。


「もしその日が来なかったとしても……あたしは後悔しないよ。
だから……ゆっくり気持ちを整理して。
それまで……あたし、瀬和さんのところで待ってるから」

「……そう。
出ていくのね」


あたしはゆっくり頷いた。

そして……


「……お世話になりました」


ゆっくり……深く頭を下げた。

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