プラチナ・ラブ

「あのね、大翔……」

「ん?」

「……お母さんから、預かってきたものがあるんだけど」

「預かってきたもの?」


学園長から?

身に覚えがなくて、俺は頭を悩ませた。


「大翔の……お母さんの住所」


……花音の言葉を聞いて、俺の動きが一瞬止まった。


あの女の……。

……憎たらしい気持ちが一気に噴き出てきたけど……俺だって前に進まなきゃいけない。


「……大翔がお母さんに会いたくなったら渡しなさいって言われた」

「会いたくなったら……か」


そんな日は一生来ないんじゃないか。

でも……会わなきゃいけなくなる時が来ると思う。

きっと、俺はあの女に会って一度話をしなきゃ前へと進めないと思うから。

< 221 / 226 >

この作品をシェア

pagetop