プラチナ・ラブ
辛くなかった、なんて言えない。
苦しくなかった、なんて言えない。
何も考えずに能天気に笑っていられる同級生達がどれだけ恨めしかったことか。
……だけど、今は違う。
過去にはいろいろあったけど……
……未来はきっと。
幸せに笑えてる、俺達がいる。
いつも笑顔の、俺達がいる。
愛することを……愛されることを知った、俺達がいる。
それはきっと俺達にとっては奇跡に近いことで。
当たり前の幸せを……これから少しずつ知っていこう。
俺達が経験できなかった、家族の温もりを……これからゆっくりと味わっていこう。
俺達を愛してると言ってくれた、タカさんと一緒に。
「……花音」
疫病神、なんて呼ばれていたけど……
俺にとっては人生を変えてくれた女神みたいな存在で……
誰よりも愛しい人。
「……愛してる」
新たな未来へと一歩踏み出した俺達。
夜空には無数の星が煌びやかに輝いていた――
―FIN―