プラチナ・ラブ


屋上のドアを開けると、そよ風が優しく髪を撫でた。

静かなとっておきのサボり場所。

誰もいない屋上は俺のお気に入りスポット。


でも……今日は先客がいた。


小柄な体型

風に靡く綺麗な髪

漂う育ちの良さ


一目ですぐに誰なのか分かった。

話したことはなかったけれど、多分彼女のことはみんな知ってると思う。


「何やってんの?」


俺が声をかけると、彼女はゆっくり振り返った。

噂で聞いてた美人とは違い、可愛い感じの女だった。

クリクリした大きな目が俺を捉える。


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