プラチナ・ラブ
花音はチラッと俺と優人を見たあと……また俯いて小さく口を開いた。
「……あたしの誕生日ってね、お父さんの命日なの」
「え…………」
「あたしが生まれたって連絡が入って病院に向かう途中に……交通事故に遭って死んだの」
母子家庭で……父親は交通事故で亡くなったって優人から聞いた。
だけど……まさかそれが花音の誕生日だったなんて……。
「……お母さん……あの人はお父さんが死んだのはあたしのせいだって……。
それからずっとあたしのことを恨んでる……」
「でも、それは花音ちゃんのせいじゃないだろ……」
……優人が膝の上で力強く拳を握りながら言った。
「……他の人はみんなそう言ってくれるよ。
でも……あの人は違う。
あの人からしたらあたしは……ただの疫病神」
「花音……」
「あの人、元々子供嫌いなの。
……お父さんのためにあたしを生んだようなものだったの。
だからお父さんがいなくなったら……あたしは邪魔でしかない……」
……愛されたことがない。
家が嫌い……。
……そういうことだったのか。