プラチナ・ラブ
「なんか、こういうのっていいね」
「そうか?」
「うん。
なんていうか……こう……温かい感じ?」
俺と花音は顔を見合わせて、小さく笑った。
「俺らが普段、どんだけ寂しい生活を送ってんのかって話だよな」
「みんなからしたら当たり前のことがすごく嬉しいよね」
家に帰ったら誰かがいる。
ただいまって言ったら、おかえりって返してくれる人がいる。
温かいご飯が出てくる。
何も言わずとも、お互いを愛し合っている家族。
……そんな当たり前のことが、俺達の普段の生活にはない。