プラチナ・ラブ
「マジで美味いな、これ」
「本当?
あれかな、あたしの愛情がたっぷり詰まってるからかな?」
ふふっ、と花音が笑う。
多分、花音はほんの冗談のつもりでいってるんだろうけど……
……少し、胸の鼓動が高鳴った。
「……やっぱ、誰かに作ってもらうのっていいな」
「あの……ちょっと気になってたんだけど……」
「親のこと?」
花音はコクリと黙ったまま頷いた。
「いねぇよ。
いねぇっつーか……帰って来ないって言った方が正しいか」
別に……帰って来なくてもいいけど。
今更帰って来られても困る。