プラチナ・ラブ
花音side

「はぁ………」


屋上で空を眺めながらため息をつく。


青空に浮かんでいる白い雲は、とてもじゃないけど手が届かない。

それは誰もが知ってること。


……分かってたのに。

近づきたくなる。

もっと知りたくなる。

……会いたくなる。


「分かってたのに……なぁ」


今まで、男の子に必要以上に近づいたことはなかった。

恋愛感情を持ったって、どうせ無意味だから。

あたしは自由に恋することなんてできない。


そんなの……分かりきってたことなのに。

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