プラチナ・ラブ

あたしは目の前にあったアイスティーを一口飲んだ。


「今日は家に帰るんだろ?」

「……うん」

「……学園長、いつ再婚すんの?」

「……分かんない。
知らないうちに名字が変わってるかも」


相手の男性の顔すら知らない。

調べたら分かるだろうけど……知りたくない。


「……何かあったら、話ぐらい聞くから」

「大翔……」

「お前、絶対無理してんだろ。
……分かるんだよ。
いつも辛そうな顔してる」


……幸せなんて、知らないもん。

もう高二になるけど……幸せなんて一度も感じたことがない。

それがあたしの人生。
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