プラチナ・ラブ
仁崎さんが帰る時、あたしは見送りするように言われて一緒に部屋を出た。
その瞬間、隣にいた仁崎さんが大きくため息をついた。
「あーあ……かったる……」
………はい?
今……何と?
「何で俺がこんな女と婚約なんか……」
え……?え!?
言葉遣い全然違くない!?
もっと上品そうな人じゃなかったっけ!?
あたしが呆然としていると、仁崎さんは面倒くさそうにあたしの方を見た。
「……おい、お前」
「あ……あたし?」
「お前以外に誰がいるんだよ」
……そうですね。
「明日から、常に俺のそばにいろ。
いいな?」
「え!?
何でそんな……」
「やりたくねぇならいいよ。
……ただ、あとであのおばさんからグチグチ文句言われるのはお前だけどな」
……それは嫌だ。
「……分かった」
「ま、よく見りゃ顔だけは可愛いよな」
……さっきはお美しいとか言ってたクセに。
「これでブスだったらマジで最悪だったし」
何なの!?この人!
……あたしはこれからの学校生活に不安を覚えた。
……それと同時に、あることを決意した。