プラチナ・ラブ
……お嬢様と御曹司。
いい組合わせじゃねぇか。
これがあるべき姿で、誰もがそう思っている。
……なのに。
イラつく
ムカつく
……分かってるよ。
この気持ちが何なのか。
俺だってそこまで鈍くない。
……だけど。
どうしようもできないことも、世の中にはある。
「ね……あの人じゃない?」
「あぁ……西崎さんと一緒にいる人?」
廊下が急に騒がしくなった。
優人がポンッと俺の肩を叩く。
「見に行こうぜ。
気になるんだろ?」
俺は優人に引っ張られるようにして廊下に出た。