プラチナ・ラブ
二人は周りが見えていないようで、ずっと口喧嘩。
廊下の端と端をズンズン歩いていく。
そんなとき……花音が俺達に気づいた。
「おーい、花音ちゃ~ん!」
花音は優人に微笑みかけると、俺に視線を移し……何も言わずに目をそらした。
……んだよ。
優人には微笑みかけたクセに、俺には何もなしかよ。
……こんなことでイライラしたってしょうがない。
そう思ってるのに……
……何で花音のことがこんなにも頭から離れないんだ。
俺には……一生届かないような世界にアイツはいるのに。