プラチナ・ラブ

「大翔さぁ、少し素直になったら?」

「俺はいつも素直だっつーの」

「お前が素直だったら世界中みんな素直だよ」


いつものようにテツの店で優人と二人で駄弁る。


「でも、仁崎も花音ちゃんも大変だよな~」

「は?」

「だって、明らかにあの二人の仲悪いじゃん。
好きでもない人と結婚しなきゃいけないって、大変だよな」


……自由がない。

花音はいつかそう言ってた。

商売道具。

花音と金持ちの坊っちゃんをくっつけて業務提携するためだけに……花音を使う。


『……一度でいいから……誰かに愛されてみたかった』


母親からも愛されず……おそらく婚約者からも愛されることなんかない。

花音はきっと……昔からそれを分かってた。
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