プラチナ・ラブ
花音side

「……何で帰りまで」

「しょうがねぇだろ。
俺だってお前と帰りまで一緒にいたくねぇよ」


学校からの帰り道。

あたしはこの仁崎という男と一緒に車に乗っていた。


……信じられない。


行きも帰りも一緒なんて……。


「まったく……何で俺がこんな女と婚約なんて……」

「……それはこっちのセリフよ」

「俺の輝かしい人生の中で唯一の汚点だな」


………汚点。


……分かってた。

あたしは誰にも必要とされてないことぐらい。

……別にこの男に愛されることなんて望んでない。


だけど……


……汚点。

疫病神。


……あたしは一体何のために生まれてきたんだろう。
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