プラチナ・ラブ
「……とにかく、俺はもうこれ以上は知らねぇからな。
婚約は解消するつもりだから」
「え……?
本当に……?」
花音が驚きながら仁崎を見た。
「西崎と組んでもそんなにメリットはないし。
……ま、俺と解消しておばさんにどやされるのはお前だろうけど」
「……いいよ、そんなの。
……慣れてるから」
仁崎は俺と花音を見て小さく口元を緩めた。
「やっぱ、俺は自分にメリットのある女と結婚しないとな」
「……はいはい」
「……昨日は悪かった」
花音は目を大きく見開いて仁崎を見た。
「え……気にしてたの?」
「ま、このことはその詫びだとでも思っといてくれ」
仁崎はそう言うと、片手をヒラヒラ振りながら向きを変えて教室を出ていった――