プラチナ・ラブ


西崎花音のことを考えてたら、あっという間に授業が終わっていた。

授業が終わると、優人と一緒に帰る。

優人はいつも元気で絶え間なくお喋りをする。


だから、優人と別れた瞬間……とてつもなく寂しくなってくる。


「……ただいま」


誰もいないのにとりあえずそう言う。

狭いアパートの一室。

それが俺の家。


玄関で靴を脱いで部屋に入ると、朝まで綺麗だったのに散らかっていた。


「……片付けろよ」


そう文句を言いたい相手はいない。

仕方なくシンクに無造作に置かれていた皿を洗う。


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