プラチナ・ラブ

さすが花音の母親だけあって、見た目は綺麗だった。


見た目は。


「あなた、今日ここに呼ばれた理由は分かるわよね?」

「……まぁ、何となくは」

「率直に言うわ。
花音と別れてちょうだい」


……そんなことだろうと思った。


「……嫌です、って言ったら?」

「あなたがそう簡単に身を引くとは思ってないわ」


学園長は余裕そうな笑みを見せた。


「でも、あなたがあの子に入れ込んでもあなたは幸せにはなれないわ」

「なぜそう言い切れるんですか」

「あの子はいずれどこかの御曹司と結婚させる予定よ。
だから、あなたのモノにはならない」


……まだ諦めてなかったのか。

仁崎との婚約が破談になったというのに。

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