プラチナ・ラブ

ガチャ、と部屋の扉を開けた。

……中にいたのは、もちろん俺の母親。


テレビを観ながらくつろいでやがった……。


「遅かったじゃない」

「……何しに来たんだよ」


香水臭っ……。


換気をするために窓を開けた。

この女と同じ空気を吸っていたくない……。


「母親が息子に会いに来ちゃいけない?」

「……今までロクに家に帰って来なかったヤツが何言ってんだよ」


こんなの……母親じゃない。


会いたくもなかった。

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