プラチナ・ラブ

「……使えなくて悪かったな。
その使えない息子を生んだのはアンタだけどな」

「そうね。
……でも……」


……でも……?


この女はあっけらかんとした口調で……俺に向かって言った。


「あたし、別に子供が欲しくて生んだわけじゃないの」


っ…………!!


……俺は言葉を発することができないまま目の前の女を見た。


「デキちゃったのよ、アンタが」


デキちゃったって……。


「あたし、病院に行くのが面倒くさくて放置してたのよね。
そしたらもう堕ろせない時期に入ってて、仕方なく」



仕方なく……?


……俺は……生まれてくるはずの人間じゃなかった……?


……生まれた時から……誰からも愛されてなかった……?


マジかよ………。


今はこんなんでも……生まれた時は喜んでくれてたと思ってたのに……。


なのに………
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