女神湖伝説(ラジオドラマ)
御泉水湿原
ターボの心地よい響きが続いている。
(アキ)「それだけじゃないのよ。二人が飛び
込んだすぐその後に無数の蝶が舞い上がって」
(カズ)「へー」
(アキ)「最後にひときわ美しく大きな紫色の
蝶が二匹、空高く飛び去って行ったんだって」
(カズ)「で、その二人の死体は?」
(アキ)「それが、いくら探しても見つからなかったらしいの」
(ヒデ)「蝶になったんだ」
(アキ)「そう。天然記念物のあの蝶はその末裔よ」
(トラ)「そうか、この近辺にしかいないよな、
紫色のあのちょうちょ。とてもロマンチックですね」
急勾配、シフトダウンのギアの音。
サードで上る車の音。
(ヒデ)「かなりきつい坂だ」
(カズ)「白樺湖は通り過ぎた。もうちょっとで女神湖だ」
サードが続く。
(アキ)「姫ヶ淵、そこがUFOの基地だって言うのよこの人は」
(ヒデ)「うーん多分な。昔からそういう伝説がある」
(トラ)「それも面白いですね」
ターボのトップに入る。
(カズ)「見えてきた。あれが女神湖だ」
(アキ)「まあ、可愛い湖」
(ヒデ)「もう天まで届きそうだ」
(トラ)「夜空の星は、きっと素敵でしょうね」
(カズのナレーション)「高原ホテルとペンション街を離れると
人家はなく、訪ねる人もいない。女神湖畔の車止めに車を止めて
御泉水湿原林という所まで歩くことにした」
カッコウの声、小鳥のさえずり、
山鳩の飛び立つ音。砂利を踏む四人の足音。
(アキ)「まあきれい、見てみて、すずらんにキスゲ、しゃくなげよ」
(ヒデ)「それ、トリカブトじゃないの?」
(アキ)「まあ、トリカブトやリンドウはまだ早いわ」
(アキ)「それだけじゃないのよ。二人が飛び
込んだすぐその後に無数の蝶が舞い上がって」
(カズ)「へー」
(アキ)「最後にひときわ美しく大きな紫色の
蝶が二匹、空高く飛び去って行ったんだって」
(カズ)「で、その二人の死体は?」
(アキ)「それが、いくら探しても見つからなかったらしいの」
(ヒデ)「蝶になったんだ」
(アキ)「そう。天然記念物のあの蝶はその末裔よ」
(トラ)「そうか、この近辺にしかいないよな、
紫色のあのちょうちょ。とてもロマンチックですね」
急勾配、シフトダウンのギアの音。
サードで上る車の音。
(ヒデ)「かなりきつい坂だ」
(カズ)「白樺湖は通り過ぎた。もうちょっとで女神湖だ」
サードが続く。
(アキ)「姫ヶ淵、そこがUFOの基地だって言うのよこの人は」
(ヒデ)「うーん多分な。昔からそういう伝説がある」
(トラ)「それも面白いですね」
ターボのトップに入る。
(カズ)「見えてきた。あれが女神湖だ」
(アキ)「まあ、可愛い湖」
(ヒデ)「もう天まで届きそうだ」
(トラ)「夜空の星は、きっと素敵でしょうね」
(カズのナレーション)「高原ホテルとペンション街を離れると
人家はなく、訪ねる人もいない。女神湖畔の車止めに車を止めて
御泉水湿原林という所まで歩くことにした」
カッコウの声、小鳥のさえずり、
山鳩の飛び立つ音。砂利を踏む四人の足音。
(アキ)「まあきれい、見てみて、すずらんにキスゲ、しゃくなげよ」
(ヒデ)「それ、トリカブトじゃないの?」
(アキ)「まあ、トリカブトやリンドウはまだ早いわ」