ハツ∞コイ~中学編~
はい、だって大切な友だちですから
「すみません、勝手に…」
「ううん、大丈夫」
上条君から誘ってくれるなんて思ってもみなかった。
「喜瀬さん泣いてたから……俺なんかしたかなって…」
見られてたか。
私は笑って言う。
「泣いてないよ?あははっ」
上条君は真剣な顔をして言った。
「でも今も泣いてますよ」
?!
私は目を擦り笑った。
「まつげが目に入っただけたから!」
上条君は心配そうに見たあと優しく笑った。
「俺、人と関わるの苦手だったんですよ」
ははっと上条君は笑う。
「でもこっちに来て、喜瀬さんと柊斗にまた会えたし嬉しかった。ありがとうございます」
「またって?」
上条君またって言ったよね?
「柊斗とは小さい頃良くしてもらいました」
私のこともまたって…
「夏祭り…」
「夏祭り?地域の小さい祭りだけど花火綺麗なんだよ」
「18日、七橋公園、7時……」
?
何のことだろう?
「一緒に行きませんか?」
「いいの?!」
「はい、だって大切な友だちですから」
友だち────
私はこの瞬間だけ友だちという言葉が嫌いになった。
「じゃあ18日待ってます」
「うん、バイバイ」
────ポロポロ
さようなら、私の初恋……