落書きされた心

 そんなことがあったんだ・・・


「あの男とは、どんな関係なの?」

「えっ・・・あ、泰雅ですか?」

「うん」

「ただの元彼です」

「元彼と呑んだりするの?」

「まあ、奢りだし良いかなーって」

「なら今度俺とも呑もーよ、奢りで」

 ニヤッと笑う市原さん

「奢りならいつでも大歓迎です」

 あたしもニヤッと笑う


 2人の笑い声が公園内に響く


「市原さん、彼女とかいないんですか?」

「いないって言っといた方がモテるよね」

 -はい??

「質問と答えが噛みあってないんですけどー!」

「はは、じょーだん。いないよ、それに今はいらない」

「それってリア充に対するひがみですか?」

「うわ、鋭いなあ」

 冗談で言ってみたけど

 いや、冗談っていうか・・・嘘って分かってて言った。

 "今はいらない"ってひがみで言う人もいるけど

 市原さんは違う・・・

 本当にそう思ってるんだ。

「やっぱり、あたしが奢ります」

「え?」

 バイト生活は大変だよね?

 それに今日なんて

 あたしのせいでバイトも辞めさせられる・・・

 
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