落書きされた心

「最近、たまたま隣の部屋にあいつが越してきて。

 俺が隣の住民って向こうは気付いてないんだけどさ。

 しょっちゅう違う女が入り込んでる」

「・・・あー、なんでだろ」

「え?」

「全然悲しくない。なんか、どーでも良いって思っちゃう」

 好きなのに。悲しくない・・・

 なんで?


「・・・だったらさっさと別れろ。

 あんな奴とお前が付き合ってんの、

 俺許せねーよ」

「・・・・・・ちょっと今日は帰る」

「・・分かった。拒否外しとけよ」

「うん」


 なんか疲れた。

 結局男は皆同じなのかーっみたいな。


 泰雅の部屋を出た途端、

 隣からも良哉と女の人が出てきた。

< 21 / 59 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop