落書きされた心


「・・瑠維っ」

 名前、呼ばないで。

「あ、良哉じゃんっ。

 新しい彼女さん?」

「え・・、や、・・・・」

 動揺するくらいなら浮気すんな、ばーか。

「お似合いだよ♪じゃ、急いでるから」


 あー、目の前で見ちゃうと結構くるね・・


 2人に背を向け、唇を噛み締める。


「瑠維、行くな」

 とくんっ..

 ぐいっと腕を引っ張られる。・・泰雅に


 ボスンッと泰雅の胸元におさまるあたし。


 その温かさに涙が溢れてきた。

 泰雅は気を遣って部屋に入れてくれた。


 良哉の前で泣きたくなかったから・・。

「最初は忘れることからでいい。

 俺と付き合って・・。

 傷ついてる時なのに、俺ってずりぃな・・」

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