落書きされた心
「・・・泰雅、どうして黙ってたの・・」
「・・・・・・言う必要なかったから、別れてたし」
「付き合ってる時から病気だったんでしょ?」
「!なんで知って・・」
「別れ告げられた日に、良哉が家に来たの。
泰雅が病気だって言ってた。
もちろん、信じなかったよ?でも・・
真実を知りたかった。だから聞こうと思ってたの。
でも、別れたから聞けなかった」
泰雅、随分痩せちゃったね。
なんの病気か分からないけど、
死んじゃうことは分かるよ・・・・。
ねえ、あとどれくらいなの?
ねえ・・・、なんでいなくなっちゃうの・・・
「・・・なあ、瑠維。
俺、欲張りなんだ。
好きな女の前では強い男でいてえの。
こんな弱った姿、見られたくねえの。
だから、お前を手放すしかなかったんだよ。」