落書きされた心
「瑠維ちゃん、ありがとうね・・。
そんなに泰雅を想ってくれてたんだね・・・・」
でも、とお姉さんは手首を掴んで言う。
「・・・こんなこと、絶対にしちゃ駄目。
一生残るんだよ?良く思う人なんていない。
偏見の目で見られるの」
「泰雅がいないなら、偏見の目で見られて構いません」
パチンッ
平手打ちをされる
「ねえ、瑠維ちゃん。
泰雅の命は泰雅の命。
瑠維ちゃんの命は瑠維ちゃんの命。
2人は他人であり、一緒じゃない。
命の共有者でもない。
どちらかが死ねば残った方も死ななきゃいけないなんてルールは
この世のどこにも存在しないの。
死んだ人を想うことを悪いとは思わないわ。
だけどね、振り切って前に進むべきなの。
それが残された方の試練なの。」