落書きされた心

02



「一つ下だったのかー」

 公園のブランコに乗りながら彼は言う。


 彼の名前は、市原良哉(イチハラリョウヤ)

「はい・・・。

 市原さんは、なんで中退したんですか?」

 どうせもう会うことはないし

 失礼な質問でもしちゃおう。

 気になるもんは聞いとかなきゃ損!


「・・・ん、色々さ」

「初対面のガキには教えられませんか?」

「長くなるけど構わねえ?」

「はいっ」



″瑠維ちゃん、俺チャラく見える?″

―え・・・まあ。

″この俺の容姿が家族をバラバラにさせたんだ。″

―え・・・?

″俺が近所で浮いてて、家族みんな恥ずかしい思いして。

 それで、出ていけってゆわれたんだ。

 俺は反抗したけど、お前なんて生まなきゃ良かった!って

 ゆわれてさ・・・。きつかったなあ。

 でもあん時はムカついて、そんなこと言う奴らと

 一緒にいたくねえって思って。バイト生活始めたんだよ″



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