光と闇
そして慧とライトはある建物の中にいた。

「本当に中はまぶしくないんだな。それに俺が見たことないものばかりだ。」

そんなことを口にした慧は、ものすごくうずうずしていた。

見たことのない生き物に植物、人々の格好に空中に浮かんでいる本やろうそく。

慧にとっては見るものすべてが新鮮で、面白くて自然と笑顔になっていた。

そんな慧を見てライトはおかしそうに笑いながら言った。

「ははっ、気に入ってもらえたみたいだな。それに楽しそうだ。」

その言葉で慧は気づいた。

(俺何やってんだよ!あまりにも珍しいものばかりで、はしゃぎすぎてた!)

そう思いながら、ライトの言葉を否定した。

「べ、別に気に入ってない!楽しくもない!俺がここに来たのは、

自分が人間だってことを証明するために来たんだ!

だから、楽しいとか気に入ったってのは断じてない!!」

顔を真っ赤にしながら否定する慧を見て、

ライトは笑いながら『そうか。』って言った。

そんなやり取りをしながら、長い長い廊下を歩いていた。



< 15 / 24 >

この作品をシェア

pagetop